もう8月下旬だってよ
連日の酷暑を在宅勤務で回避するつもりが、思いの外微妙に毎日少しずつ外に出なければならないタスクがあり、その度に汁まみれになりながら、なんとなく仕事した気になりつつ、けれど仕事の絶対量は昨年対比80%減と言っても過言ではなく、そんな社員は僕だけではなくだいたい皆さんそんな感じということで弊社も配置換えとかでどうにかしようとしている、らしい。
もう8月下旬だってよ。
今までのような日常は戻ってこないだろうな、なんて分かったようなことを半年前くらいにはほざいていたのだけれど、分かってます感を醸したかっただけで本当にそうなるなんて思っていませんでした、とここに懺悔しておきます。
先日実家の愛犬が亡くなりました。
トイプードルのオスでした。15歳くらいだったみたいです。最期のほうは発作とかで大変だったみたいだけど、けっこう長生きしたんじゃないかな。
亡くなる前の晩に父から、覚悟しておいた方が良いと連絡があって、
その翌朝に亡くなった、と都知事の要請を無視して実家に帰っていた愚弟から連絡がありました。
その一報をうけて実家に電話をして、聞いたよ、と告げると受話器越しに母の泣き声が聞こえてきました。
僕は幸いなことに実家付近に営業先があるということで、こういった状況になるまではしばしば顔を出して、その度に番犬気取りのトイプードルに吠えられていました。
まあ僕は君と散歩したこともないしそうだよね。僕が君の立場でも吠えるよ
僕が中学2年生くらいの時に突然家族になった君は、まだ歯も生えそろってなくて、口も臭くなくて、もうあり得ないくらい可愛かったけど、僕が部活やら受験やらで構わないうちにどんどん大きくなって、君本当にトイプードルなの?というくらいのサイズ感で、舐められたら臭いし、甘噛みじゃなくてガチの噛みつき方してくるし、トイレの近くでわざわざ小便するし、たまにお気に入りの座椅子付近でウンコしてるし、びっくりするくらいポンコツに育っていました。
そのまま僕は大学進学と同時に一人暮らしを始めて、帰省のたびに吠えられ、みたいな関係性でした。
僕には2人の妹と前述の愚弟がいて、その3人の方が彼と仲良かったんじゃないかと思います。
特に弟の溺愛っぷりはもう見てられないレベルで、あり得ない言葉遣いと表情で犬を撫で回し、正直キモかったのですが、兄妹から不遇の扱いを受ける弟にとって唯一オアシスと呼べる存在だったのかもしれません。知らんけど。
都知事の要請を無視した甲斐があったんじゃないかなと思います。
あるいは、彼が弟の帰省を待っててくれたのかな、なんて想像したらちょっと泣けてきました。
泣けてくるし寝苦しいしで睡魔が何処かへ行ってしまったので、記念に残しておきます。
犬の名前はプリンと言います。
僕は中学2年生だったのでスターリンとかヒトラーとかにしたかったのですが、でかい方の妹がショコラとかふざけた名前(今思えば別にふざけてはないのですが)をつけようとしていたので、折衷案としてチャップリンから「プリン」を提示しました。僕の中ではこういう記憶になってますが妹弟たちよ、合っているだろうか。
プリンに会いたい。実家に帰って吠えて噛みついてくる君に会いたい。一度くらい散歩に行けば良かった。ウンコの処理めんどくさがるんじゃなかった。
最期に立ち会えなくてとても悲しいけれど、
うちの愚弟を待っていてくれてありがとう。
名前スターリンじゃなくて良かったね。